『目指せ！気迫の一本！優勝旗！！』

　すっかり夏の陽射しが肌を刺すように向かってきます。今年も夏がやってきました。
　常日頃、本校剣道部に対して、温かい応援、ご協力に感謝いたします。
　平成２５年度県総体が終わりました。全国大会出場をかけた、高校生にとって、意味深い大会です。これまで、OB.OGの皆様には、大変なご支援、温かい応援を頂きました。また、保護者の皆様、地域の皆様にも、無償の愛情をもって、応援していただきました。本当にありがとうございました。
　結果は、男子個人ベスト１６、女子個人ベスト１６、男子団体ベスト１６、女子団体ベスト８という内容でした。
　生徒の夢、目標には届かせてあげる事が出来ず、申し訳ありません。私の指導力不足です。
　試合が終わり、今年も生徒の前で、年甲斐もなく、泣いてしまいました＞＜
　２年前、今の３年生が入学してきてくれた時の事を思い出します。
　ひ弱な体格で、高校生の竹刀に慣れることから始まり、足裁き、トレーニングを積み重ねました。不安げで、何をどう動いていいものか、先輩方について行くのがやっとという生徒達ばかりでした。その３年生が、けが・病気を克服し、見る見る全国の強豪にも引けをとらない、体格、剣道になりました。
　たくさんの思い出を頂きました。今まで勝ったことのなかったチームに勝ち、１月まで大差で負けていたチームを撃破するようになりました。他校との試合をしていく中で、徐々にチームの意識、価値観が確実に高くなっていきました。
　２月には、九州選抜大会に男女団体で初めて出場させていただき、夜は保護者さんと「私たちは幸せです」と言いながら、たくさん話をしました。あの沖縄の夜と試合ぶりは、私の脳裏から消えることはありません。
　また、たくさんの方々のご協力で、３月には「東北の玉竜旗」と言われる全国大会「魁星旗」にも出場させていただきました。昨年の全国２位を破り、ベスト３２に入りました。九州から出場されているチームの監督さんから「よく来たな。頑張ってるな」と声をかけていただきました。
　どこに行っても、よく声をかけていただくチームでした。素朴な田舎っ子が、素直に、ひたむきに頑張る姿は、私の誇りでした。「またやろう」とたくさんの先生方に言っていただきました。
　私は、生徒達に、本当にたくさんの思い出を頂きました。きついトレーニング・稽古をする目的は「勝つこと」ですが、伊万里高校剣道部の目標は「共に泣ける一生の仲間を創ること」です。私も高校時代の仲間と会って話すことは、いつまでたっても高校時代の話です。色あせない清々しい思い出です。
　生徒達は、本当に、ひたむきに、必死で今までやってきたことを信じて試合をしました。こころから、よく頑張ったと言いました。今までありがとうと。今まで培った技術・体力、そして心は、消えることはない。無駄だったことは一つも無い。また、次に踏みだそう。
　私は、人生にはチャンスがたくさんあると想っています。頑張っている者には、何度も何度もチャンスが来る。挑戦し、チャンスを増やし、目標をつかみ取る事が必ずできると、本当に思います。他人を大事にした分だけ、応援者が増える。感謝した分だけ清々しい気分になる。人に優しくした分だけ、心が強くなると信じています。
　今年も本当にいいチームになりました。来年も更にいいチームを目指し、頑張りたいと想います。先輩達の悔しさは、後輩達が受け継いでくれると想います。これからまた、生徒と一緒に次なる目標に向けて頑張ります。温かい応援を本当にありがとうございました。

伊万里高校剣道部顧問　前田陽平